2017-03-29

(小説ベガの母船02のつづきです)

「ところでカロリーナさんは、どうして私のことをずっと見守っていたのですか?」

「そうですね・・・何から話しましょうか。
実は、あなたと私は遠い過去、姉妹だったのです。
その頃、私たちは四姉妹でした。
私は上から2番目。あなたは4番目です。
そして今、この広い天の川銀河でバラバラになった姉妹達を探し、見守ってきました。」

「残りの2人は今どうしているのですか?」

「それが・・・事情があって会えないのです。。」
瞳を伏せたカロリーナさんの悲しい気持ちが伝わってくる。

「カロリーナさんは、私のお姉さんだったのですね。お会いできて光栄です。
ずっと見守ってくれていたなんて!ありがとうございます!」

「今まで危険な目に遭遇しても、助かるような事がたくさんあったでしょう。」

「そういえば、思い当たることがあります。
原付バイクに乗っていた時に、車と接触事故を起こしてバイクごと倒れたのに、体は小さな傷で済んだことがありました。
他にも、カレーを煮込んでいる時に、鍋の上で固いルーを包丁で切り落とそうとしたら、手が滑って危うく人差し指を切り落としそうになったことがありました。あのまま指を切り落としていたら、指カレーが完成してしまうところでした。
こういうのも全部カロリーナさんが守ってくれていたのですね。」

「事故はそうですね。カレーの件は知りませんでした。(笑)
あと、あなたはよく寝坊をするので、いろんな事象を使って起こしに行っていたのですよ。ガチャンと物を落としたり、電話やメールを鳴らしたり、最終手段は時間ギリギリに脳内に呼びかけて起こしていました。」

「あはは、そうでしたね!そんなことがよくあった気がします。あれはカロリーナさんの仕業だったのですね。(笑)」

2人で笑っていると、部屋の自動ドアが開き、銀色のスーツを着た中性的な女性が入って来た。
ショートカットの金髪、スラリとした体格で、背は少し低め、肌は透き通るように白かった。年の頃は、カロリーナさんの少し下くらいに見えた。
キリッとした凛々しい瞳をこちらに向けて、言った。

「はじめまして。ロイと言います。あなたがイーリアですね。カロリーナから常々噂は聞いています。
お会いできる日を楽しみにしていました。」
声は意外に低めだったが、ニッコリと微笑んだ顔は、あどけなくかわいらしい。

「はじめまして、ロイさん。私のことを知っているのですね。普段の抜けている所がバレているようで、なんだか恥ずかしくなります。」

「それもあなたの個性ですから、恥ずかしがることはないですよ。それはそうと、宇宙の旅は楽しんでいただけてますか?」

「はい、とっても楽しいです。未知の世界が広がっていて、もう不思議で聞きたいこたばかりで、何から聞いたらいいか迷ってしまいます。」

「それは良かったです。私に分かることでしたらお答えしますので、何でも聞いてください。
私はカロリーナと同じベガに住む者です。ベガはあなたが住んでいる地球とは違っているところがたくさんありますから、来ると楽しめると思いますよ。
ちょうどあなたたちの世界でいうところのディズニーワールドのイメージと似ているかもしれません。」

「そうなんですね!それはぜひ行ってみたいです!」

「はい、この母船はベガへと向かっています。でもその前にあなたに見ていただきたいところがあります。」

(つづく)

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