ベガの母船02

ベガの母船01のつづきです)

「はじめまして。イーリアといいます。
私のことを知っているのですか?」

「もちろん。あなたのことを遠い宇宙からずっと見守っていました。まずはここから宇宙へと旅に出ましょう。」

その時、部屋の大きな窓にスクリーンが映し出された。
そこには、宇宙の深い青を背景に様々な星が煌めいていた。手裏剣のような形の星がたくさん通り過ぎたり、黄色と黒の弓矢の的のような惑星が回転しながら浮かんでいたり、縁がギザギザの太陽が浮かんでいたり、渦を巻きながら形を変え踊っているかのような塵の大群が見えたりした。

「ここに映し出されているのは、今母船で通過している宇宙です。宇宙は広大で、みなさんが想像もつかないくらいに多くの神秘が存在し、無限のパワーを持っています。
そして互いに影響し合いながら秩序を保っています。
一つ一つの惑星もまた同じです。
実は、私たち一人ひとりの生命の形は、この宇宙と同じ形で存在しているのです。
だから、生命は皆無限なのです。
ちょっと難しい話になりましたね。
まずはこの宇宙の芸術的な景色を楽しみながらワインでも飲みましょう。」

「あ、はい。・・・あの私、アルコールがダメなのでお茶にしてもらえますか?」

「ここのワインは葡萄ジュースのようなものなので大丈夫ですよ。飲んでみてください。」

すると、どこからともなく、テーブルにグラスワインが現れた。

「え?!どういうことですか?マジックですか?」

「マジックではありません。私たちは想念によって、何でも創り出すことができるのです。この空間にいると、コツさえ掴めば誰でもできますよ。試しに、いま欲しいものを思い浮かべてみてください。細かなところまでイメージできるとうまく現れてくれます。」

目を閉じ集中してイメージをしてから目を開けてみると、テーブルの上に、生クリームとメイプルシロップが添えられたパンケーキが現れた。

「うまく行ったようですね。成功しているかどうか、食べてみてください。」

食べてみると、外側は美味しそうなパンケーキだったが、内側がスカスカで、私がイメージしていたパンケーキとは違って美味しいとは言えないものだった。

「ハハハ、中までイメージしていなかったのですね。外側だけでなく、中までしっかりとイメージしないといけません。
イメージしたものだけが、しっかりとその通りに現れるのです。
まぁ、気を取り直して、ワインを飲んでみてください。」

一口飲んでみると、口の中いっぱいに葡萄の芳醇な味と香りが広がり、今まで飲んだことのないような深い味わいだった。

(つづく)

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